健全なファクタリング取引ならば売上減少で責任を問われることはないでしょう。

思わぬトラブルで売掛金に曇りが

ファクタリングは売掛金を販売する取引です。
しかしながら、倒産や吸収合併の影響で簡単に債務不履行となってしまうリスクも抱えています。
また、倒産までは行かなくとも売上が大きく減少してしまうという問題が起こる可能性は決してゼロではありません。

 

例えば、飲食店の経営と併せて商品の販売なども行っている場合、リコールが発生した際も、売上の減少は避けられないでしょう。
加えて回収などの対応にコストがかかるため、大きな痛手となるのです。

 

債権希薄化のリスク

返品やリコールにおける売上減少のリスクを特に「債権希薄化のリスク(ダイリューションリスク)」と呼びます。
これは売掛金が受け取った当初の額面で受け取ることができなくなるリスクであるため、返品やリコールが発覚する前にファクタリングを行っていれば、さらなる負担が発生するかもしれないという心配が出てくるでしょう。

 

ファクタリングにおいての責任

日本でファクタリングを利用した際は、契約内容を確認していただければ基本的に「償還請求権なし」の取引になっていることと思います。
この権利の放棄が明確化されていれば、売掛金を振り出した企業やお店が倒産しても、また売上が減少しても利用者側が責任を追う必要はありません。

 

稀に償還請求権ありの取引もありますが、それは「偽装ファクタリング」と呼ばれる違法取引に該当する可能性があります。
そのような際はまず契約内容を見直し、違法な業者だった場合は弁護士に依頼して然るべき対応を取りましょう。

 

対策の基本は返品率の計算

返品率を計算する経営者

 

債権希薄化のリスクが発生した際に、債権に対してファクタリングを行っていたとしても、責任を負うことを考える必要がないとはいえ、損失が生まれることに間違いはありません。
そのため、然るべき対策を持って日常から欠陥品が生まれない生産ラインを確保することが大切になります。

 

また、商品ごとにどれくらいの返品が予想されるか、具体的な数字を算出する「返品率」の計算も視野に入れておかねばいけません。
予算を組む上で、返品の期待値を考慮した上で経営を行うことがリスクヘッジへと繋がるとされています。

 

普段の経営からリスクヘッジを

リスクヘッジの重要性

 

債権希薄化のリスクはプロダクトを生産する際は、常に考慮しなければいけないリスクです。
しかし、ファクタリング取引に限っては償還請求権がない健全な取引を行っていれば、売上が減少しても責任を問われることは基本的にないと言えるでしょう。

 

ただ、自主回収やリコールと言った事態は、金銭面以上にイメージダウンなどに直結するため大きな打撃となる出来事になります。
普段の取り組みから健全化を行うように心がけることが大切になるのではないでしょうか。