Modeling of Events

機械学習入門 第一回

機械学習ってなに?どう役に立つの? 機械学習ことはじめ

みなさんは、“機械学習”という言葉をご存知でしょうか?

「よく知っています!」という研究者やエンジニアの方から、「はじめて聞いた…」という方まで様々いらっしゃるかと思いますが、みなさん“AI(人工知能)”という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

本コラムでは、そんな人工知能の一つである「機械学習」について分かりやすく紹介していきます。

 

いま必要なお寿司は・・・「まぐろ」が5巻です!

機械学習の世界に触れるにあたり、まずは実際に利用されている機械学習の例について取り上げてみようと思います。機械学習とは何か、どんなことができるのか直観的にわかる例です。

お寿司屋さん

鮮度が命のお寿司。回転寿司ではたくさんのお寿司がレーン上を回っていますが、売れ残ったまま一定の時間が過ぎると廃棄されてしまいます。廃棄量が多ければ多いほどコストがかさみ、無駄が生じることに…そこで機械学習の登場です。

機械学習システムに、いつ、何の寿司ネタがどのレーンで売れそうかを予測してもらい、その指示にそって作ることで効率的な商品提供を行うことができるのです。

従来ではこうした“売れ筋予測”はベテランスタッフの経験と勘に頼っていましたが、精密に予測することはなかなか難しく、実際の売れ行きと乖離が大きく廃棄率が高くなってしまうという問題がありました。

一方、機械学習システムでは様々な情報をもとにより精密に予測することができます。過去の売上変動データ、その日の天気、気温、来店中の顧客の年齢層、家族連れかお一人様か、来店してからどのぐらい時間が経過しているか(来店してすぐのお客様だとお腹がすいていますが、長時間経っているとお腹いっぱいですよね)…などなど、人力では捉えきれない、実に多くの情報を瞬時に分析して応用できる点が機械学習システムのすごさです。

顧客の需要をリアルタイムで的確につかみ、売れそうなネタを素早く必要な分、予測することにより、廃棄になる分をぐっと減らすことができます。

 

機械学習は、学んで、判断し、予測する。

上記の例で機械学習システムのすごさが少し伝わったかと思いますが、それでは機械学習とはいったい何なのでしょうか?

機械学習(machine learning)とは、「明示的にプログラミングすることなく、コンピュータに学習能力を与える研究分野」である。 ―――アーサー・サミュエル

アメリカの計算機科学者であるアーサー・サミュエルは、「機械学習の父」として知られています。彼はチェッカーというゲームにおいて、自分に勝てるコンピュータを作ろうとしました。コンピュータに自身とチェッカーの対局を何度も行い学ばせることで、ついにはチェッカーの米コネチカット州チャンピオンを倒してしまったのです。

 

これだけでは少し難しいので、もうすこし分かりやすく説明したいと思います。

先程の回転寿司の事例を考えてみましょう。

もしも人が寿司の売れ筋予測を行うとしたらどのようになるでしょうか。

寿司屋さんとお客さん

定番商品や人気商品、旬の食材、特定の層に好まれそうなものなどを優先的に作ることや、「あのレーンには今は白身魚が少ないからタイをたくさん作って流しておこう」といった感覚に頼って作るでしょう。

しかし、具体的に何のネタをいくつ作り、どのレーンに流すことが最適であるかまでは分かりません。客層は時間帯によって変化しますし、お客さん皆が常に同じようなネタを求めている訳ではないでしょう。その日の天気や曜日に左右されることもあるかもしれません。

一方、コンピュータが売れ筋予測を行うとしたらどのようになるでしょうか。

まずはコンピュータに様々な情報を入力します。各寿司の単価、過去の売上データ、どのテーブルにどんなお客さんが着席しているか、着席してからどのぐらい時間が経過しているか、その日の天気予報、気温などなど。

また、どの寿司ネタがどのぐらい売れたか実測値を観測し、ただちにコンピュータに反映させます。

機械学習イメージ

例えば6月初旬の週末の金曜日、夜19時頃という条件とします。コンピュータは同時期の過去の売上データから読み取って、そのとき大人に最も売れていた「マグロ」を「8巻」、「大人が多く着席しているレーンに」流すように予測します。

ところが実際に流してみたところ、売れたのは3巻のみでした。そこで、今現在よく売れているネタは何か観測したデータから再度検証しなおしたところ、大人が多いレーンでは「中トロ」がよく売れていることが分かりました。また、過去のデータでは週末の雨の日は「中トロ」が10巻以上売れていることが分かりました。

なぜでしょうか?

実はその日は例年より梅雨入りが早く雨の週末で、例年ならば家族連れや高齢者が多い時間帯のはずが雨で客足が遠のき、代わりに仕事帰りのサラリーマンが多かったのです。

比較的裕福な客層であることから、「マグロ」よりも単価の高い「中トロ」がよく売れたというわけです。そこで今度は「中トロ」を「10巻」、「大人が多く着席しているレーンに」流すように判断し、予測し直します。

このように機械学習では、データからルールを何度も学び直し、判断することでより精密な予測を立てられるようになります。

また、どのレーンにいるお客さんが、着席してから何分経過しているか?という情報も重要です。来店したてのお客さんはお腹がすいているため、来店間もないお客さんが多いレーンにはたくさん寿司を流す、30分以上経過しているお客さんが多いレーンにはデザートを多めに流す…といった判断もできます。

このように、【データ(人間でいうところの知識や経験)からルールを学び、判断し、予測する】という思考能力を、コンピュータで実現しようというのが機械学習です。

人間と異なり、大量のデータを、高速に、高精度で分析できるという点が機械学習の優れた点であるといえるでしょう。

第1回では機械学習とは何かついて大まかにご説明しましたが、次回は機械学習の種類についてご紹介いたします。

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